オリジナル性の高さを追究する
■作品をかいていると、やはりオリジナル性をどのように出したらいいのか、 気になってきます。
一般には、「物語のパターンは出尽くした」と言われています。
さて、あなたはこのことを気にしますか?
それとも、自分には無関係だと思いますか?
物語のパターンは、シェークスピアが戯曲で書ききったようです。 でも、だからといって、シェークスピアがあれば十分かというと 「読書」だけに限っても、そんなことはありません。 そして、作品をつくる側に立てば、「書くための動機」はたくさん あります。
まず、表現というのは今の状況で生きている人がするものですから、 もし、いま何もかかなければ、歴史的にみたとき、文化的な空白が できることになります。
このことを考えると、オリジナル性というのは、いまの状況で生きながら かいているだけで、自然に出てきます。 ですから、あえて気にすることもないかもしれません。
ただ、作者の側に立ってみると、これを意識して追求することは 作品の質をアップさせることにつながります。 その意味では、やはり意識して、作品の中に出すようにした方がいいのです。
・時代的な観点からみたオリジナル性は、意識しなくてもかいているだけで
自然に出てくる。
・個人的なオリジナル性は、意識して作品の中に入れた方がよい。
ということです。
そこで、個人的なオリジナル性ですが、これはテクニックで出そうとしても うまくいきません。 それはオリジナルではなく、ただの「技術」になってしまいます。 他の作家はそれを使わなかった、あるいは知らなかったというだけです。 つまり、知っていて使おうと思えば、誰にでもできるわけです。 ということは、これはオリジナル性とは、あまり関係ないですね。 むしろ、本当のオリジナル性は、作家にとっては「同じことの繰り返し」を 招くかもしれません。
幅広く、何でもかけるのが、プロの作家ではありません。 何をかいても、「これは○○○○の、いつものやつだよ」と言われてしまう のが、プロです。 作品をつくってきた結果、そういうものが自分の中にできてしまうのです。 何をかいても、それを通過して作品になるため、読者からみると 「いつものやつだよ」という感想をまずもってしまうのです。
逆にいえば、そこまで自分の表現を突き詰めることに成功した、 ということです。 念のためにいっておきますが、ワンパターンにはまってしまったわけでは ありません。 そういうものとは、違ったところでの「いつものやつ」です。
これは読者をほっとさせる効果ももっています。 特定の作家のファンになると、とりあえず、その作家のかいたものは 何でも見るようになるのは、このためです。
この「いつものやつ」は、当然、オリジナル性が高いです。 もし、そう見えないなら、それだけ作家が自然に使いこなしている のですから、完成度も高いですね。
オリジナル性のもつ意味がわかってきたでしょうか?
いま、作品をかいている人は、わかったことを作品に反映するように した方がいいですね。 実際に使うようにすると、もちろん新しい発見があって、そのぶん、自分の ものになります。
そうやって発見した知識や技術は、どこでも使えるようになるでしょう。 新しいことを身につけるのに、一番確実で早いのは、このやり方しかない ようです。
とくに、重要なのが「自分で見つけた新しいこと」です。 本で読んだことはすぐに忘れても、このプロセスで手に入れたものは かんたんには忘れません。 ぜひ、今回の内容も身につけてください。