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古典は「場」を形成している



■非日常的な描写は、ファンタジー系につきものですが、そこにも 当然、リアリティというものがあります。

これがないと、読者には「作り物」に見えてしまって、読んでもつまらない ものになります。 このリアリティを支えているのは、それまでに読んできたファンタジーの 集積です。 つまり、ファンタジー的な「お約束の集積」が、読者を納得させている わけです。

そして、もう1つが主人公の描写にリアリティがあるか、という点です。 これは、作者側の力量にかかっています。

根底に流れているのは「お約束の集積」の方です。 主人公はその上を走っています。 そして、初心者が作品をかいていて、「ファンタジーっぽくならない」と 悩むのは、この「集積」が作品内に持ち込めないからです。

よく、「書こうとするジャンルの本は、できるだけたくさん読むように」と いわれますが、これには
・内容的にダブったものを書かないようにするため
・「お約束の集積」を理解するため
という2つの目的があります。

一般化すれば、この「お約束の集積」は、そのジャンルを成り立たせている 「場」のようなものです。 学園ものには、それ特有の「場」があります。 そこから離れると、何かが成り立たなくなり、作品の力が失われます。

ファンタジーの「場」は、『指輪物語』がその基礎を作りました。 ですから、ファンタジーをかくなら、この作品を読んでおく必要があるわけです。 最近は、本が多すぎるので、どれを読んだらいいのかわからなくなりますが、 その選別のための1つの基準がこれです。

・その本は、これから書こうとしている分野の「場」を形成していますか?

たしかに、読んでみないとわからないのですが、評価の定まっている古典は ほとんどが「場」を形成する役割を果たしています。 だから、古典が重要なんです。 古典をすすめる人が本当に言いたいのは、作品をかくための最短距離を走りなさい、 ということです。

評価の定まっていない最近の本は、遠回りする可能性が高くなります。

この「場」は「世界観」といってもいいですが、この表現だとテクニック的な 意味合いが出てきてしまうので、少し違和感があります。 「場」というのは、もっと根底的なもので、「その分野の遺伝子」みたいな ものだと考えればわかりやすいかもしれません。 作品をこれから書こうとする初心者の方は、「その分野の遺伝子」を導入する ことを目的に、用意を進めたらいいと思います。

これで、一歩前に進めるような気分になってきたのではないでしょうか。 古典が重要な理由もわかったと思います。

あとは、必要なことを実行して、自分のかきたい作品を仕上げてください。



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