主人公の欠点は反転して長所になる
■欠点と長所と聞いて、あなたは何を連想するでしょうか?
「欠点は誰にでもあるものです」
「長所を見つけて伸ばしましょう」
と聞かされた小学校の教室でしょうか。
実は、欠点が長所に反転する瞬間があるんですね。 これはけっこう重要です。
そういうときは、 「こんなことが役に立つとは思わなかったよ」と 本人が一番驚きます。
小説やマンガの主人公も、欠点だと思っていたことが反転して 長所になったときの印象はかなり強烈です。 主人公の印象が薄いときは、欠点を見つけて、それが反転するような 状況を作ると、かなり「主人公らしく」なります。 欠点もなく、何となく人あたりのいい主人公は、フィクションではかきにくい ですね。
もっとも、それは主人公が悪いのではなく、欠点が見えるくらい深くつきあおう としない作者が問題なのですが、結果的に「フィクションとしてかきにくい」と いうことになってしまいます。 欠点から長所への差が大きいほど、ストーリーが劇的に進行し、状況が変化します。
パターン化された展開で主人公を動かしてしまうと、この劇的な様子を描くことは できません。 表現がどんなに稚拙でも、パターン化に陥らずにかかれた作品は、欠点と長所の 格差をもっています。 作者が、それを発見したわけですね。 そのおかげでパターン化せずに、主人公が生き生きしているんです。
やはり、ここでも作者の観察力と想像力が必要です。 同じ現象をみても、他人とはまったく違った発想をしてみましょう。 意識的にそうすることで、脳全体を使うようになり、自然に「脳力」が アップします。
もちろん、その発想をわかりやすく説明するのは大変ですが、直接説明しなくても
小説で書けば、伝わりやすくなります。
・主人公の欠点と長所を発見し
・その差を広げたとき
作品は、間違いなく独自の道を歩きはじめます。
おそらく、それは読者の予想を裏切り、常に「いいところ」で 「次号に続く」ようなリズムを自然にもってくるでしょう。 このリズムを使いこなす余裕が出てくると、かなりおもしろくなります。
主人公の欠点も長所も、すべて認めて受け入れたところから、 作家のオリジナルな仕事が始まります。