想像力を駆使する「場」
■作家は、ストーリーに乗せて、作品のテーマを読者に伝えます。 でも、そんなに「きれいに」言ってしまっていいのでしょうか?
「とにかく書けることから書く」「書き出したら、あとは流れるままに」 という感じで、書き進める人の方が多いような気がします。
この場合、ストーリーはどんな役割をするのでしょうか。 少なくとも、「テーマをストーリーに乗せて」というふうには ならないと思います。
現実的に考えると、 「ストーリーに乗せて書くことで」 「なんとか小説の形になっている」 という人が多いでしょう。
これは、作者が、
・主人公や他の登場人物のことをよく把握していない
ところから起こっています。
これは、かなり大きな問題ですが、それはちょっとおいておきます。
それよりも、作者の方に焦点をあてると、
この状態では「作者がストーリーに守られている」形になっています。
つまり、既存のストーリーパターンから一歩も外れることができない
状態です。
これが、本質的な問題ですね。
こうやって書かれた作品がおもしろいか、つまらないかというのは あまり問題ではありません。 作者が、この「保護された状態」から一歩踏み出すにはどうしたらいいのか? その方法を探って、実行することが大切です。
やはり、作者とストーリーの関係を正常にしなければなりません。 オリジナルの作品をかくには、こういう前提条件を守る必要があります。 作者はストーリーパターンに依存するのではなく、主人公の声をもっと 聞くことからスタートすることをおすすめします。
実は、ストーリーを作者がすべて作り、コントロールするということは できません。 登場人物が自然に動き出すように、環境を整えるのが作者の仕事です。 そのためには、作者とストーリーが対等な関係でいなければなりません。
作者がストーリーに依存するのでもなく、
ストーリーが作者を引きずるのでもなく、
作者は主人公たちの声に耳を傾けながらストーリーを組み立て、
ストーリーは作者の想像力を吸収できる大きな受容力をもつ。
つまり、ストーリーは作者にとって、想像力を駆使できる「場」です。 そこでは、「制限」というものはありません。 「試み」ならたくさんあります。 これが、駆け出しの作家に必要な「ストーリーの役割」です。
そして、作家には、この目に見えない巨大な「場」で、素直に 「さまざまな想像力」を駆使することが求められています。
この課題に1ヶ月の間、真剣に取り組めば 「テーマをストーリーに乗せて」という 本来の姿を、実感できるところまで到達 するでしょう。